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第14回化学公開セミナー

名古屋工業大学 生命・応用化学教育類では、2010年から所属教員の研究をやさしく分かりやすく紹介するための化学公開セミナーを開催しています。今回はお二方にご自身の研究を紹介していただきます。ひとりは「分子の表面修飾による機能性材料開発」という演目で無機化学分野の猪股 智彦准教授、もうひとりは「蛋白質・ペプチドへの両親媒性付与による機能設計」という演目で高分子化学分野の水野 稔久准教授です。多数の皆様のご参加をお待ちしています。

日時:2023 年 6 月 21 日(水)14:40~16:10(講演 30 分、質問 10 分)
場所:4号館1階ホール (対面開催予定、コロナ感染拡大の状況次第では開催方式を見直す)
参加費:無料
対象:学内外の興味ある方すべて
申込:当日直接参加

連絡先:〒466-8555 名古屋市昭和区御器所町 名古屋工業大学 生命・応用化学教育類長 岩田 修一
E-mail: iwa@nitech.ac.jp


分子の表面修飾による機能性材料開発

講師:猪股 智彦 准教授  座長:小澤 智宏 教授

固体表面はそれ自身が非常に反応性に富む反応場であるが、そのような反応場を合目的に分子修飾することで新たな機能性を付与することができる。そうした機能性材料は、電極触媒や電池材料、センサー材料などに応用することが可能である。本講演では、我々が開発した分子の表面修飾による機能性材料を利用したCO2変換電極触媒や色素増感太陽電池、微生物センサーなどについて紹介する。

蛋白質・ペプチドへの両親媒性付与による機能設計

講師:水野 稔久也 准教授  座長:出羽 毅久 教授

分子構造や集合構造の精密な設計・機能設計を得意とする超分子化学を以て、生命科学にどのように貢献できるのかという命題が、私の研究テーマの1つである。超分子化学における水中で分子を集合させる方法の1つとして、両親媒性の付与がある。天然に見られる蛋白質においても、蛋白質が集合化することにより特異な超構造形成がなされる例は広く知られ、それに付随した高次機能の発揮もみられる。しかしそれは主に複雑な官能基間の相互作用を介した分子間相互作用に基づくものが多く、いわゆるシンプルな両親媒性の付与による方法は限られる。意図的に天然にない様式にて蛋白質やペプチドに対して両親媒性を付与することは、単なる集合構造設計という面白さのみならず、主に細胞膜を対象とした生理活性の発揮も期待させ、上記命題への解答の1つになるのではと考えている。本セミナーでは、疎水基の導入、あるいは特異な両親媒性を付与された配列設計を通した、蛋白質・ペプチドへの両親媒性の付与、更にそれに基づいた機能設計に関して、他研究者の取り組みも含めて概説する。